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まじしんブログ「コロナ第13波」

  • 2025年8月12日
  • 読了時間: 5分

本日からクリニックも夏休み入りしました。ここ数年、山の日という祝日ができたためお盆と絡めて休診するようになりましたが、8連休は久しぶりです。かかりつけの皆様にはご迷惑をおかけしますが何卒ご了承ください。


6月からの異常な酷暑で連日メディアでは最高気温やその持続期間を報じる一方、否が応でも直面する熱中症のリスクとその回避報道に余念がありません。一昔前までは軽度のものを日射病、重篤なものを熱射病と呼び分けていましたが、今は軽症から重症までひとくくりに熱中症と呼ばれます。ただし暑さと関連する体調不良を何でもかんでも熱中症と自己申告する方が増え、単なる夏バテ(暑気あたり、エアコン病などとも呼ばれます)を慢性熱中症などと称したり、感冒症状を伴わないウイルス感染で2〜3日高熱が続くにも関わらず「ゴルフに行って熱中症になったが治らない」といった自己誤診も少なからず発生しているようです。気象予報士も気温30℃なら「過ごしやすい日」と言ってしまうほど、国民みんなが暑さにやられてますね。


さてここからは今さらコロナの話です。反ワク反コロナ「もはや風邪と同じ」「感染症法5類になったからインフルエンザと同じで怖くない」というご理解の方はこの先読むのは時間の無駄ですので、他所のサイトへエスケープしてください。昨年からコロナの流行は夏と冬の2峰性になり、流行期の患者数(感染者数)のピークも徐々に減少傾向にあります。ただ前冬はインフルエンザの爆発的流行の影響なのか同時流行した割に患者数は多くありませんでした。ところが今夏は沖縄の感染爆発に端を発し5週連続で日本中で増加中(それも2週間前の推計値によるものです)、本日の時点ですでに前冬のピークを超えている地域もあります。昨夏は流行開始が早かったため8月にはピークアウトしていましたが、今回はお盆休みに重なってしまったのでどこまで患者数が増えるか見当もつきません。それこそ熱中症と勘違いしていたり、また救急車も熱中症患者の搬送で大忙しですから特にご高齢の方は十分に気をつけていただきたいと思います。


7月頃から診察終了時の挨拶「お大事に」に「熱中症と夏バテとコロナに気をつけてください」を加えてみました。すると予想通り8割程度の方から「またコロナ流行っているんですか?」とお返事をいただきます。これだけ感染者が急増しているのに政府も厚労省もオールドメディアも何も言わないから当然です。せいぜい熱中症や過去最多の百日咳感染の話題の際にインタビューを受けた医師がコロナ患者との鑑別に触れるくらいですから。今回の流行は6月初め頃から東南アジア全域で一気に始まりましたが、お隣の台湾や韓国ではいち早く公共エリアでのマスク着用告知やワクチンの無償接種を始めました。反ワク反コロナで有名なケネディ厚生長官の米国ですら現在でも年2回無償接種を受けられます(まあ風前の灯でしょうけど)。


13回目となるとコロナウイルス自体の急性期症状(発熱や咳など)は軽症化し、まさにインフルエンザ程度の症状で一旦治ります。咳や倦怠感、食欲不振が残ることもありますが通常は1か月程度で消失します。一方で感染力はますます強力になり、発熱する2日前くらいからウイルスが急速に増殖し他者への感染が始まります(潜伏期間は概ね3〜4日)。


最近の世界のコロナ研究のトピックはなんといってもコロナ後遺症(LongCOVID)で、治ったかに見えてもコロナウイルスの一部は全身の臓器に潜伏し従来から知られている肺、脳、心臓はもとより腎臓、眼球などにもダメージを与えるほか、動物実験では乳がんの肺転移発症を促進する事象も認められているそうです。またこれら後遺症の発症リスクは初回感染では8%程度ですが3回目、4回目になると30%以上に上昇することが知られるようになり、最悪の場合は社会生活に大きなダメージを与えてしまいます。残念ながらわが国ではコロナ関連予算はすべて引き上げられてしまったため、実態調査も乏しく大きく遅れを取っています。ちなみに後遺症予防には罹患時に抗ウイルス薬を服用するよりワクチン接種の方が効果が高いという研究成果も出ていますが、今年の秋から国の補助はなくなりますので自己負担額の増加によってまた接種者が減ることでしょう。


そうは言っても多くの健康成人にとっては「たかがコロナ」、(自己負担3割として)1万5千円から2万円もする治療薬を飲まなくても解熱剤飲んでれば治るし死なないし、周囲に後遺症の知人なんていないし、といったところでしょう。ところが高齢者および基礎疾患を有する方にとってはそう呑気なことも言っていられません。塩野義製薬(コロナの治療薬を製造販売)がテレビCMで昨年1年間でのコロナ死者数が3万5千人だったことを伝えてくれていますが、どれくらいの方がお気づきでしょうか。癌、心臓疾患、脳卒中、事故死などに次いで確か死亡原因8位、その98%が高齢者です。もはやニュースにもなりませんが高齢者施設でのクラスターはコロナ流行のたびに全国で発生しており、多くのコロナ直接死、関連死が続いています。このような施設は病院と異なり医療関係者の関与が乏しく、細心の注意を払っても勤務者の持ち込み感染を予防しきれないのでコロナに対して極めて脆弱です。


待ちに待ったお盆休み。自宅でくつろぐ方も、実家へ帰省して高齢の親御さんにお会いになる方も、もちろん人の減った都会で仕事に励まれる方も少なくとも8月中は日本中にコロナウイルスが蔓延しています。酷暑と湿気の中ですが人混みでのマスク着用と換気、手指消毒を怠ることなくしっかり感染対策をしてなるべく快適な時間をお過ごしください。

 
 

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