東野圭吾氏を悼む
- 7月27日
- 読了時間: 2分
本日の午後、日本を代表するミステリー作家東野圭吾氏が23日大腸がんで逝去されたと各種メディアで(一部は速報で)報じられた。享年68歳、長寿の現代においては早すぎる死と言わざるを得ない。氏の作品はほぼ全作読破しているが、どれを読んでもハズレはなく若いミステリーファンの方とも共通体験、共通言語足りうる東野作品。当院近くの国道246に面するBook Offがまだ古書を中心に営業していた頃、入り口を入った真正面に東野作品専用の棚があり特に人気の高い単行本や文庫本の在庫が一目瞭然だったのも懐かしい記憶だ。
工学部出身という異色の経歴は著作にも如何なく発揮され、ことに初期の作品ではトリックが極めて論理的に張り巡らされ、中には理科系の素養がないと書けないような作品群も散見される。その後円熟期を迎えるにつれ相変わらずロジカルなプロットに加えて人間の欲望や人生の悲哀、時に人情ものとも評されるシリーズ作品などで幅が広がり、ミステリーを読んでいたのに深い感動のあまり最終盤で涙がこぼれることすら幾度かあった。
デジタル化社会とも評される昨今、作家になりたい人は多いらしいが紙の本は全く売れず、街から書店がどんどん消えている(三軒茶屋も例外ではない)。代わりにスマホやPCで手軽に作品を発表できるようになっているそうだが、果たして生涯作品累計発行部数が1億冊を超え、海外40カ国以上で翻訳されるような作家(もちろんAI作家ではない)が果たして現れるだろうか? 来たる8月5日に発売予定のガリレオシリーズの最新刊「永遠の記憶」が遺作となりそうだ。天才物理学者にして論理的な推理で数多の難事件を解決に導いてきたガリレオ湯川博士こそ、若き日の東野氏の理想型であったのかもしれない。
すでに読了していたにもかかわらず未読と勘違いして3、4作品は再購入再読している。今後新作を読むことこそ叶わないが、デビュー作から改めて読み直して行けば10年くらいは十分に楽しめそうな気がしている。(割と本気です・・)
東野圭吾氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
