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A.M.先生を囲む会

  • hiro640311
  • 6月1日
  • 読了時間: 3分

今昼は恵比寿にて新米医師時代の恩師A.M.先生との会食。昨春に初会合を開催したが、その数ヶ月後に長年にわたり進行癌のため闘病中だった奥様を亡くされ独り暮らしになられたため、激励の意味をこめての開催となった。参加者は同期生2名と後輩2名、東北大学教授で仙台在住のAは出張先の青森から4時間かけての参加、ありがとね。


A.M.先生は国立東京第二病院総合診療科(現国立病院機構東京医療センター総合内科)の初代科長で長らく同院血液内科のスタッフでいらっしゃったが、当時の厚労省の方針でプライマリケア医(家庭医、かかりつけ医、初期救急・振り分け外来担当医などそもそも定義、意味合いも曖昧だったし、今でも世間に認知されているとは思えない)養成のため専任スタッフ2人および各専門内科の有志スタッフの協力を得て診療と教育を開始された。平成2年4月、2年間の研修医を修了したレジデント(現専攻医、当時は後期研修医とも呼ばれた)1期生5名が採用されてようやく陣容が整ったが、本日参加のCによれば現在は総勢30名を超える大所帯だそうで隔世の感がある。ちなみに私は1期生の1人であるが、内科系研修医で採用された配属1科目(研修医は婦人科や整形外科などを除く院内ほぼ全科を1〜2ヶ月交代で研修して回る)が総合診療科であったためA.M.先生は医師になって初めての指導医でもあった。


白衣の裾を颯爽と翻し、笑顔を絶やすことなく院内の廊下を足早に歩くサマはさながら昭和時代の映画俳優のようであったが、我々ヤンチャな、もとい血気盛んな若手5名の手綱を捌くのはストレスも多かったはずだが声を荒げるようなことはほとんどなかった(かな?)。また上述の通り立ち位置が曖昧であったというか、有り体に言えば内科系患者のパイを奪うことになり得る存在であったため、必ずしも協力的でない専門内科医も多くその調整には随分とご苦労されていた。そんな中我らレジデントは研修医時代にほとんどの上級医にお世話になっていた強み?もあったので、内科初診外来や救急外来から入院させた患者さんを自分が主治医となりつつも、併診という形でスーパーバイズしていただき本当に多くの経験を積ませてもらった。


私が大学医局に移ってからは、本日参加のSやCが音頭をとって毎夏にOB/OG会として現役スタッフやレジデントとの親睦会が開催されてきたが、卒業生も100名を超え、また総合内科の発展による業務量増加のために開催が危ぶまれ始めた頃にコロナ禍が襲い、伝統行事としてのOB/OG会が途絶えてしまった。一般社会よりもコロナの流行に対してはるかに慎重な態度で会合などを自制してきたが、A.M.先生に直々指導を受けた世代の多くがすでに50代以上となり、皆が元気なうちに愛弟子で集まって恩師に感謝を示す会を始めた昨年。本日は酒豪だった恩師も抱える持病の影響でノンアル派になっていたが、やもめ暮らしの割に元気そうで本当に安心した。生前の奥様から託された「私がいなくなっても時々誘ってやってくださいね。」のお言葉を胸に(不肖の)弟子たちは秋の再会を誓って解散したのであった。次回の幹事も私とH、狩人「あずさ2号」絶唱コンビなんだろうな、きっと・・

 
 

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