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S.K.教授退官記念祝賀会

  • hiro640311
  • 6月28日
  • 読了時間: 3分

昨夜は麻布にて母校消化器内科の先輩で私より4期上のS.K.先生の退官記念祝賀会に出席。恩師M.S.名誉教授を始め医局の同門(肝臓グループ主体)30人余り、今でもほとんどが現役医師のため出席叶わずのメンバーも多かったようだが、それでも懐かしい顔ぶれや初めましての若手も含め皆S.K.先生との関わりを大事に思っていることが各人のスピーチから伺えた。私は母校で卒後研修を行わず外の世界で研修を重ねていたが、国立病院の研修医時代にお世話になったW.N.名誉教授からお声がけいただき、卒後8年目に母校の付属東京病院に助手として出戻り就職することになった。以後6年間肝胆膵疾患を中心に臨床や研究、若手や学生の指導に従事したが、助教授I.M.先生(「令和のまじしんブログ」参照)と講師だったS.K.先生お二人のおかげで本当に充実した6年間を過ごさせていただいた。


S.K.先生は一言で表せば「信念のひと」。信仰の力という支えがあったからかもしれないが、病院や患者さんのために自己犠牲を厭わず、真面目で一切の手抜きや妥協もなく朝から夜遅くまで(小田急線の最終列車、南新宿駅24:20発くらいでの帰宅が常だった)誰よりも働き、過労死候補ナンバーワンと評されていた。M.S.名誉教授の子飼いの弟子としてアルコール性肝疾患を専門としていた故、多くのアルコール依存症の患者さんも診ていたが、退院が決まった患者さんの再発防止、依存症の治療のため専門クリニックや自助更生施設までわざわざ同行されることもしばしばだった。自らを律する厳しさを周囲に押し付けるような人ではなくむしろ背中を見せて語るタイプだったが、時にその姿勢は現在でいうパワハラ、研修医潰しなどと陰で言われることもあったらしい。とはいえ、臨床、教育、研究という医学部教員のマスト・デューティーをマグロの如くこなし続け(当日同伴された奥様による表現:常に泳ぎ続けていないと死んでしまうという意)、いわゆる市中病院に出向することもなく大学病院本院および3ヶ所の付属病院間での異動だけで退官まで過ごした医師を、S.K.先生以外に私は知らない。


付属東京病院で大学人としてのキャリアを歩み始め、40年後の本年3月末日をもって帰還した同院の閉院とともに退官されたS.K.先生は、もし私自身が重篤な消化器系の病に侵されたなら死に水はこの先生にとってもらおうと信頼できる数少ない医師でもある。最後の2年間図らずも私の身内がお世話になり、当院の休診日である水曜日に診察していただいたので立場は変われどお目にかかるたびに身が引き締まる思いと懐かしさが交錯。昔と変わらぬ真摯で丁寧な診療に患者家族として随分と救われ、忙しいのは百も承知で昔話にも花咲かせた時間だった。


4月以降は都心の内科系クリニックの雇われ副院長として開業医の一員に加わってくださった。いつまでも大学病院時代同様に信念を貫いていただきたいが、あの丁寧すぎる診療を街中のクリニックで続けるとなると1日10人診るのが限界かも? 先生が夜遅くに病棟回診をするので私の在職中に消灯時間が21時から22時に延長されたが(と私は確信している)、クリニックも23時頃まで夜診するようになるのかしらん。6年間の在籍中に何故か連れて行っていただけなかった乃木坂のフレンチ「シェ・ピエール」の後継店でご一緒できる日を心待ちにしております。益々のご健勝をお祈りいたします。

 
 

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