健康保険証廃止
- hiro640311
- 3 日前
- 読了時間: 4分
更新日:24 分前
12月2日より従来の健康保険証が原則廃止されました。法律によって任意取得であると規定されているマイナンバーカードに、国民皆保険制度の根幹を成し全国民への発行が義務づけられている健康保険証を紐付けするという暴挙を自民党政府が強行したためです。しかもこのような重要な政策変更が国会論議も経ず閣議にすら諮られないまま、数名の大臣の口頭でのやり取りによって決定されそのプロセスの議事録も作成されていません。また当時の河野デジ太郎大臣はマイナ保険証移行の理由を「顔写真のない健康保険証は成りすましで悪用されるから」とメディアで述べましたが、そのような事例の統計などが存在しないことは国会質問で明らかになっています。
マイナカードへの信頼の低さ、あるいは政府への怒りと絶望のためかマイナ保険証の普及率はいまだに37%程度とされ、霞ヶ関の官僚とりわけ制度運用を所管するデジタル庁や厚労省職員ですら50%にも満たないそうです。失敗しましたと謝って元に戻せばいいものを、インパール作戦のように前進あるのみで撤退することを知らないバカの壁。マイナ保険証を登録していない国民へは健康保険組合から資格確認証(最大5年間有効)なるものが送付されていますが、従来の保険証をコピペしたかのごとく瓜二つである事に驚きませんでしたか?それでも混乱を避けられないと戦々恐々の厚労省は来年3月末まで期限切れ保険証の使用を認めています。ただしこの通知は国民には周知されず医療機関と処方箋薬局のみに限られています。
医療機関等の窓口に設置されている読み取り機器は供与されたものですが、保守点検料やネット回線使用料は当院負担。そもそも機器接続のための光ファイバー回線(NTT限定)敷設工事の費用も当院負担でした。現在も小児や難病医療証読み取りソフト導入やスマホ搭載マイナ保険証読み取り機器などの導入がバラバラに開始され、助成制度があるとはいえ一定の持ち出しを強要されます(当院では導入する予定はありません)。医療デジタル化の名目のもとNTT、NEC、富士通などのITゼネコンが業務を独占し、利益の一部が自民党への企業団体献金として環流する仕組みでマイナカード普及に2兆円、保険証紐付けに360億円もの血税が使われました。一方で医療機関側は費用持ち出しばかりでなくポンコツシステムのせいで窓口業務を煩雑にさせられ時間を取られます。
当初運転免許証のマイナンバーカードへの紐付けを拒否した警察庁(偉い!)は従来の免許証も残しながらの二本立て運用を開始しました。医療業界のデジタル化の遅れは否定できませんし今後も全国統一電子カルテ普及などが目論まれていますが、拙速に過ぎると現在のような混乱や無駄が生じます。デジタル化やAIの普及で医療の効率化が進むのは望ましい事であるものの、その一方で健康保険料の高騰や診療報酬抑制による医療崩壊が殊にコロナ禍以降顕在化しており、少子高齢化へも無策のまま国民の健康が損なわれ始めているのも事実です。マイナカードに保険証、薬歴、健康診断結果そして運転免許証にゆくゆくは銀行口座の紐付けで個人情報を網羅するのも名案(迷案?)かもしれませんが、われわれ国民にとって果たして有益なものになるのでしょうか。少なくとも健康保険証は従来のままで誰も困っていませんでした。
5年後までに利権を守りたい自民党と、与党に魂を売り選挙公約を破ってでも連立して甘い汁を吸いたい「金魚の糞」であることを公言して憚らない軟弱野党によってマイナ保険証は任意ではなく完全義務化されるのか?そしてその後に待ち受けるのが国民皆保険制度の廃止、すなわち米国型民間保険の導入であり自民党のみならず経団連を中心とした財界、とりわけ外資系保険会社が虎視眈々と日本市場を狙っています。富裕層は高額な保険料を支払うことでいつでも最高の医療を受けられる一方、低所得者層は一定限度額以上の検査や治療は受けられないという命の選別制度です。米国の都市伝説のようなエピソードですが、(パレスチナ人のジェノサイドを続ける)富裕層相手のユダヤ系私立病院の玄関前の路上で強盗に腹部を刺されて倒れている市民がいたら、通行人や病院関係者が駆けつけて救命処置をしつつ目の前の病院に運び入れようとするでしょう。が、しかし玄関前には会計責任者が待ち受けていて「その受傷者が加入している保険は何か」とチェックされ、低額な医療保険や貧困層向けの政府管掌保険加入者であることが判明すると「ウチでは受け入れられない、よその病院へ行け!」と門前払いを受けるとか。
私自身加齢とともにガタがきて歯科を含めた複数の医療機関に定期通院し、複数の薬剤を服用している身です。高齢化まっしぐらの中で高額な国民健康保険料を支払続けている以上、今後も便利な健康保険証1枚を持って皆保険制度に守られた普通の医療を享受したいと思います。でも病気でヨレヨレになる前に、バカイチ軍事独裁政権からのスマホ(マイナ)召集令状で中台紛争の後方支援にロートル軍医として送られる方が先かもしれないな。
